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2012/2/15

経済産業情報

予備発電能力を利用、寒波に伴う電力需要増で

この記事の要約

欧州が記録的な寒波に見舞われるなか、ドイツでは原発8基の廃止に伴う電力不足を補う予備発電施設(待機予備力)が稼働を開始した。7日にはマンハイム石炭発電所第3ブロック(220メガワット)がピンチヒッターとして投入。8日にも […]

欧州が記録的な寒波に見舞われるなか、ドイツでは原発8基の廃止に伴う電力不足を補う予備発電施設(待機予備力)が稼働を開始した。7日にはマンハイム石炭発電所第3ブロック(220メガワット)がピンチヒッターとして投入。8日にもドイツ向けの予備発電能力があるオーストリアから500メガワットが輸入された。オーストリアとドイツを結ぶ高圧電線網を管理するTennetによると、オーストリアから電力を輸入したのは昨年12月に続き2回目という。

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マンハイム発電所によると、予備電源の緊急運転を開始したのは、ロシアからの欧州向けガス供給が減少したことで南部ドイツのガス発電所が供給不足に陥ったため。また、Tennetはオーストリアからの電力輸入について、このところ風況が悪く風力発電量が低下しているためと説明した。

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自国の電力需要を賄うために予備電源稼働を余儀なくされたドイツだが、7日にはフランスに電力を輸出した。フランスは電気暖房を使う世帯が多く、寒波で需要が一気に膨らんだためだ。

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電力不足のなかで輸出を行うという一見矛盾した動きについて送電網運営会社Amprionの担当者は「地域によって電力需給バランスに大きな差があるため」と説明した。晴天続きでソーラー発電量が増えて供給過剰となる地域がある一方で、需給がひっ迫する地域もあり、電力網の安定を図るために輸出入で調整する必要があるという。

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