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2012/2/22

総合 - ドイツ経済ニュース

国の赤字削減目標、前倒しで実現の見通し

この記事の要約

ドイツは国(連邦)の構造的な財政赤字(単年度)を国内総生産(GDP)比0.35%以内に抑制することを義務づけた基本法(憲法)の規定を前倒しで実現する見通しだ。好景気を背景に税収が予定を上回るスピードで拡大しているためで、 […]

ドイツは国(連邦)の構造的な財政赤字(単年度)を国内総生産(GDP)比0.35%以内に抑制することを義務づけた基本法(憲法)の規定を前倒しで実現する見通しだ。好景気を背景に税収が予定を上回るスピードで拡大しているためで、『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が与党関係者への取材をもとに報じたところによると、憲法規定よりも2年早い2014年に同比率を達成する可能性が出てきた。

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連邦は2011年度予算で財政赤字484億ユーロを計上していた。だが実際の赤字額は173億ユーロと、予算の3分の1にとどまった。ショイブレ連邦財務相はすでに「2016年よりも前に(財政赤字比率の上限枠0.35%を)達成できるだろう」(『ハノーバーシェ・アルゲマイネ』紙のインタビュー)と明言。与党キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)の財政政策担当者はFAZ紙に対し「歳出削減策を追加し、また歳出拡大につながる決議を行わなければ2014年にも実現できる」との見方を示した。ショイブレ財務相は歳出削減に向けてすでに各省庁と交渉を開始したという。

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連邦の財政赤字比率0.35%は金額にして100億ユーロ弱に相当する。現行の公式見通しでは2014年の赤字額が157億ユーロとなっているものの、今後は引き下げられる公算が高い。

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