自動車大手の米General Motors(GM)が独子会社Opelの経営再建に向けて仏PSA Peugeot Citroenと戦略提携交渉を進めていることが22日、明らかになった。PSAとOpelはともに経営不振が続いており、幅広い分野で手を結ぶことで業績を回復させたい考えだ。PSAのバラン社長から前日に情報を得たフランスのベルトラン労働相が公表した。23日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙によると、交渉は3カ月前から行われており、3月のジュネーブ・モーターショーで契約が調印される見通しという。
\提携交渉分野は明らかにされていない。FAZ紙がOpelの事業所委員(従業員の代表)から入手した情報によると、Opelは中型車「Insignia」のプラットフォームをPSAに供給し、その見返りとしてPSAから小型ディーゼルエンジンを調達する可能性があるという。PSAはすでに、独BMWの小型車「Mini」向けにディーゼルエンジンを供給しており、Opelにも提供すればコストをこれまで以上に削減できる。
\OpelとPSAはこのほか、物流、部品調達、小型商用車、アジア事業の分野でも提携を模索しているもよう。両社は飽和状態にある欧州市場への依存度が極端に高く、これが業績回復の大きな足かせとなっている。
\資本提携には踏み込まないとみられる。PSA株30%を保有するプジョー家が影響力の低下を懸念しているためだ。また、提携が実現しても工場閉鎖と人員削減は行われないという。
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