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2012/2/29

経済産業情報

住宅価格が急上昇、不動産バブル発生の指摘も

この記事の要約

独連邦銀行(連銀)が20日発表した月例報告書によると、2011年の国内住宅価格(一戸建ては除く)は前年比で5.5%上昇し、上げ幅は前の年(2.5%増)の2倍以上に拡大した。景気回復や雇用の安定、低金利を背景に住宅需要が増 […]

独連邦銀行(連銀)が20日発表した月例報告書によると、2011年の国内住宅価格(一戸建ては除く)は前年比で5.5%上昇し、上げ幅は前の年(2.5%増)の2倍以上に拡大した。景気回復や雇用の安定、低金利を背景に住宅需要が増加したことが大きい。連銀によると、景気拡大と住宅価格の上昇トレンドが時期的に一致したのは東西ドイツ統一(1990年)後の住宅ブーム以来初めて。

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住宅市場調査会社Bulwien Gesaが国内125都市を対象に実施した住宅市場調査をもとに連銀が試算したところによると、住宅価格が大きく上がったのは人口50万人以上の大都市とその周辺部で、7%上昇(前年比3.75ポイント増)した。

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昨今の住宅ブームを受け、投機目的で不動産を取得・開発することに関心を示す機関投資家が増えている。連銀の担当者はこの点について「ドイツは少子高齢化が進んでおり、移民の流入を加味しても長期的には人口減少(住宅需要の縮小)が予想される。賃貸料の低下や高い空室率で不動産取得・維持コストをカバーできなくなる恐れもある」として懸念を表明。安易な投資に警鐘を鳴らした。また、不動産金融の専門家であるレーゲンスブルク大学のシュテファン・セバスティアン教授は経済紙『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』紙に対し「ドイツの大都市では今まさに不動産バブルが発生しかけている」との見方を示した。

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