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2012/2/29

経済産業情報

GMが米市場にディーゼル車投入 欧州の技術搭載

この記事の要約

米自動車大手のゼネラルモーターズ(GM) は21日、傘下の乗用車ブランド、シボレーの小型車「クルーズ」で米市場向けにディーゼルモデルを導入する方針を明らかにした。低燃費で環境に優しい自動車への関心が米国内でも高まりつつあ […]

米自動車大手のゼネラルモーターズ(GM) は21日、傘下の乗用車ブランド、シボレーの小型車「クルーズ」で米市場向けにディーゼルモデルを導入する方針を明らかにした。低燃費で環境に優しい自動車への関心が米国内でも高まりつつあることに対応、独子会社オペルの技術も一部採用する計画だ。

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GMは北米を除く世界市場でティーゼル車を販売しており、11年の販売台数は、クルーズのディーゼル仕様車を含め50万台以上に上った。一方、米国ではディーゼル車に対しては「うるさい」「汚い」「排ガスが臭い」という旧態依然のイメージが根強い。フォルクスワーゲン(VW)やアウディ、メルセデスのなどのドイツメーカーが数年来、「クリーンで低公害なクルマ」として懸命にマーケティング活動を繰り広げているものの、マイナスイメージを払しょくするには至っていない。そうしたなか、米自動車大手が自国の乗用車市場へのディーゼル車投入に踏み切ったことは大きな注目を集めている。

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米自動車サイトgreencarreportsによると、クルーズのディーゼルモデルは◇2013年頃に(2014年式モデルとして)導入◇エンジンは欧州モデルと同じ2.0リッター◇開発はミシガン工場のエンジンデザイナー、伊トリノ(欧州GMパワートレイン)のディーゼルエンジン専門家、独リュッセルスハイム(オペル)の自動車エンジニアが共同で手がける◇デザインはガソリンモデルを踏襲し、見た目で区別がつかないようにする――という。

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LMC Automotiveのアナリストは「米ディーゼル車市場は今のところわずかな規模にすぎないが、企業別平均燃費基準(CAFE)の引き上げなどによって、米メーカーも燃費の改善を求められており、市場の拡大はほぼ確実」と指摘。ディーゼルに対して偏見のない若い消費者が有望なターゲットになるとの見方を示した。

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