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2012/2/29

経済産業情報

スイスの4PL企業が躍進

この記事の要約

自前の輸送インフラを持たないスイスの物流サービス企業4PL Central Station(バーゼル、以下4PLCS)が躍進を続けている。同社は複数のコントラクト・ロジスティクス(3PL)企業を取りまとめ、効率の高い物流 […]

自前の輸送インフラを持たないスイスの物流サービス企業4PL Central Station(バーゼル、以下4PLCS)が躍進を続けている。同社は複数のコントラクト・ロジスティクス(3PL)企業を取りまとめ、効率の高い物流サービスをコーディネートするいわゆる4PL(フォースパーティ・ロジスティクス)事業者で、10年末には米化学大手SunChemicalの欧州サプライチェーン業務を獲得。DHLやKuehne&Nagelなどの国際的物流大手にとって無視できない存在になりつつある。22日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。

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4PLCSはアレクサンダー・バウアー氏とその息子オリバーが2000年、輸送サービスの仲介会社として設立した。自前の輸送インフラを構築する代わりに大小の運送会社と提携し、物流・配車計画や倉庫管理、ネットワーク最適化・効率化など、物流コーディネーター役としてのノウハウを蓄積。現在はスイスのほかイタリア、英国、ドイツ、オーストリア、米国に拠点を持ち、ネットワークに登録する運送会社は欧州だけでも1万3,000社に上る。

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独法人の統括役を務めるオリバー・バウアー氏は3PLと4PLの違いについて、「我々は輸送業務で収入を得るのではなく、輸送業務を統括しプロセスを最適化するノウハウを商品として提供する」と説明する。

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DHLやKuehne&Nagelなど自前の輸送インフラを持つ国際的大手がひしめき、激しい価格競争が繰り広げられている物流業界で、4PL業者が新たな付加価値を生み出す余地があるかについては、疑問を投げかける専門家もいる。これに対し、物流コンサルタント4PL 4Flowの関係者は「大手の3PL業者には中立的な視点が欠けていることが多い。独立系の4PLはこの意味で競争上有利な立場にある」と指摘、物流業界の新たな潮流になりうるとの見方を示した。

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