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2012/2/29

経済産業情報

ハイテク起業家基金、設立6年で250社を支援

この記事の要約

設立間もないハイテクベンチャー企業を育成・支援する官民出資のハイテク起業家基金(HTGF)が発足から6周年を迎えた。これまでに支援を受けたベンチャーの数は250社を超える。昨年末には基金総額が従来の2億7,200万ユーロ […]

設立間もないハイテクベンチャー企業を育成・支援する官民出資のハイテク起業家基金(HTGF)が発足から6周年を迎えた。これまでに支援を受けたベンチャーの数は250社を超える。昨年末には基金総額が従来の2億7,200万ユーロから2億8,850万ユーロへと拡大、現在も化学大手のエボニクなど4社が資金拠出の意向を示しており、支援の規模はさらに大きくなりそうだ。21日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

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HTGFは連邦経済技術省(BMWi)の主導で2005年に創設された。設立メンバーはBMWiのほかドイツ復興銀行(KfW)、BASF、ドイツテレコム、シーメンスなどの官民9機関。拠出金は最低250万ユーロに上るものの、同基金に資金を提供した企業は支援を受けるベンチャー企業の事業プロジェクト情報を自由に入手できる。このため関心のあるプロジェクトを展開する企業があれば、基金に拠出していない企業よりも早期に接触できるメリットがある。

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資金支援の対象となるのは設立直後(アーリーステージ)のハイテク企業。HTGFは15%の資本参加を含め1社当たり最大50万ユーロを投融資する。必要と認めた場合は1億5,000万ユーロを限度に追加融資も行う。融資の返済期間は7年で、企業の財務を圧迫しないよう、融資の利払いは4年間猶予する。

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支援した企業の倒産で投融資が回収できなくなったのは40社。金額ベースでは全体の15%に上っており、貸し倒れリスクは高い。ただ、これまでに売却された企業およそ20社に限ると、大半のケースでは投資額以上のリターンが得られたという。

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