欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2012/3/14

ゲシェフトフューラーの豆知識

退職社員の写真などはホームページから削除を

この記事の要約

企業のホームページを見ると、職員の写真や経歴が掲載されているのを目にすることがある。スタッフが有能であることアピールしたり、親しみを感じさせる効果を狙ってのことだろう。\ こうした情報がビジネスにプラスに働くのであれば、 […]

企業のホームページを見ると、職員の写真や経歴が掲載されているのを目にすることがある。スタッフが有能であることアピールしたり、親しみを感じさせる効果を狙ってのことだろう。

\

こうした情報がビジネスにプラスに働くのであれば、企業は当該社員の退職後も掲載を続けたいと思うかもしれない。だが、そうした行為は法に抵触する。そんな判決(訴訟番号:19 SaGa 1480/11)をヘッセン州労働裁判所が9日に下したので、ここで取り上げてみる。

\

裁判を起こしたのは弁護士事務所に勤務していた女性弁護士。弁護士事務所のホームページ上の職員紹介コーナーには同弁護士の経歴が掲載されていた。また、同ホームページ内のブログには原告弁護士の署名記事とともに写真と経歴紹介が載せられていた。

\

同弁護士は2011年7月末付で退職し、一般企業の法務部に転職。弁護士事務所に対し、ホームページ上にある自身の個人情報をすべて抹消するよう要求した。

\

これを受け、弁護士事務所は職員紹介コーナーのデータはすべて消したものの、ブログ内の写真と経歴は掲載を続けた。原告はこれを受け、ブログ内のデータも抹消することを求めて提訴した。

\

第1審のフランクフルト労働裁判所は原告勝訴を言い渡し、第2審のヘッセン州労裁も1審判決を支持した。判決理由で裁判官は、退職後も個人情報を掲載し続けることは人格権の侵害に当たるとの判断を示した。

\