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2012/5/9

経済産業情報

GSM周波数帯を移動通信に開放、2017年めどに=ネットワーク監督当局

この記事の要約

電力・通信・鉄道網などの監督機関である連邦ネットワーク庁(BNetzA)は3日、第2世代無線通信(GSM:主に音声、テキストメッセージ通信用)に割り当てられている900MHzおよび1,800MHzの周波数帯を、2017年 […]

電力・通信・鉄道網などの監督機関である連邦ネットワーク庁(BNetzA)は3日、第2世代無線通信(GSM:主に音声、テキストメッセージ通信用)に割り当てられている900MHzおよび1,800MHzの周波数帯を、2017年から高速モバイル通信向けに開放する方針を明らかにした。モバイルデータトラフィック量が急増しており、現行の割り当て枠では需要に追い付かなくなくなることが確実なためと説明している。

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ドイツでは現在、900MHzの周波数帯は主にT-MobileとVodafone D2、1,800MHzの周波数帯は主にE-PlusとO2のGSMサービス向けに割り当てられている。また、3G(UMTS)高速データ通信向けには1,900MHz~2,100MHzの周波数帯が使われている。

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BNetzAの年次報告書によると、モバイルデータトラフィック量は08年の1,147万ギガバイトから11年には9,300万ギガバイトへと約8倍の水準に拡大した(11年時点の予測)。

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周波数開放の背景にあるのは、欧州連合(EU)が09年に改定したモバイルサービス向け無線周波数管理に関するEU指令(通称GSM指令)だ。同指令によって、それまでGSMが独占的に使用していた900MHzの周波数帯が3G通信向けに開放された。欧州委員会はまた、900MHzと1,800MHzの周波数帯をLTEなど4G通信向けにも開放する指令を11年に制定。加盟国は同年末までに国内法への転換を義務づけられた。

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ただ、ドイツでは現行のGMS周波数帯の使用期限が16年末まで残っているため、BNetzAは17年からの開放が適切との考えを提示している。最終案は幅広い意見を集めたうえでまとめる方針だ。

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