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2013/4/24

総合 - ドイツ経済ニュース

独GDP成長率、来年は1.9%に上昇=共同予測

この記事の要約

Ifoなど国内外の主要経済研究所は18日発表した共同作成の『春季経済予測』で、ドイツの実質国内総生産(GDP)成長率が今年は低調だった昨年(0.6%)をやや上回り0.8%に上昇するとの見通しを示した。景気は今春から再び上 […]

Ifoなど国内外の主要経済研究所は18日発表した共同作成の『春季経済予測』で、ドイツの実質国内総生産(GDP)成長率が今年は低調だった昨年(0.6%)をやや上回り0.8%に上昇するとの見通しを示した。景気は今春から再び上向いているほか、世界経済もやや回復していると指摘。来年は独GDP成長率が1.9%まで高まるとしている。

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世界経済は企業と消費者の景気見通し改善を背景に好転しており、鉱工業生産と世界貿易にはやや勢いが出てきた。欧州債務危機がひとまず峠を越したことが大きく、3月に発生したキプロス危機も金融危機を再発させるには至っていない。『予測』はこうしたことを踏まえ、世界経済の成長率が今年2.5%、来年3%に達するとの予想を示した。

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ドイツ経済については昨秋以降、企業景況感が大幅に改善していることを指摘。また、世界経済の拡大や、低金利を背景とする良好な融資環境、雇用情勢の安定など景気を取り巻く条件は明るいとの見方を示した。

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ただ、企業が投資を活発化させるにはなお時間がかかる見通しで、今年は設備投資が昨年に引き続き後退。輸出の伸びも輸入を下回るため、景気は個人消費頼みになる。

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来年は外需の拡大背景に工場稼働率が上昇するほか、企業の投資活動も活発化。個人消費は可処分所得の増加を受けて一段と拡大する。

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インフレ率は今年、1.7%となり、昨年の2.0%から低下する。石油製品の価格が下落していることが反映されるため。来年は景気の加速を受けて再び2.0%へと上昇する。

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生産一単位当りに要する人件費(ユニットレーバーコスト)の上昇率は今年1.9%、来年1.8%となる見通し。昨年の2.8%からは縮小するものの、2011年から4年連続で前年を上回る。ドイツ経済のファンダメンタルズの強さと人材不足が背景にある。

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年平均の失業者数は昨年の290万人から今年は287万人、来年は268万人へと減少。失業率も今年6.7%、来年6.4%へと低下する。

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国と地方、社会保険機関を合わせた財政収支は昨年に引き続き、今年と来年も黒字となる見通しで、財政黒字の対GDP比率は来年0.5%に達する見通しだ。『予測』はこれを評価しながらも、財政改善が一時的な要因によるところも大きいと指摘。今後は少子高齢化の進展を受けて財政のハードルが一段と高くなるとして、歳出削減をこれまで以上に強化するよう促した。

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欧州中央銀行(ECB)が政策金利を現行の年0.75%から引き下げるとの観測が高まっていることに関しては、利下げは景気の過熱につながる恐れがあると指摘。欧州経済にとって好ましくないとの見方を示した。

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