中国企業の投資先として欧州の重要性が高まっている。香港の投資会社A Capitalが16日発表した調査結果によると、2012年の対欧州直接投資額は前年比21.2%増の126億4,300万米ドルに達し、対北米を押さえて2年連続で最大となった。投資額全体に占める欧州のシェアは33.3%だった。特に国営企業の投資が多く、全体の93%を占めた(グラフ参照)。
\欧州への大型投資案件は、◇山東重工の傘下企業ウェイチャイ・パワーによる独フォークリフト大手Kionへの25%出資◇三一重工による独建機大手Putzmeister買収◇光明食品(Bright Food)による英シリアルメーカーWeetabixの株式60%取得――など。比較的規模の小さい案件では中国投資(China Investment)による英ヒースロー空港やテムズウォーターへの少数出資、中国三峡によるポルトガルEDPエネルギアスへの21%出資などが挙げられる。
\中国企業による欧州投資が加速している背景にあるのは、ユーロ債務危機などによる株価の値下がりだ。Eurostoxx50構成銘柄の株価は過去2年で12%、英FTSE100も同4.8%下落し、買収や出資が行いやすくなっている。
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