スイスの重電大手ABB(チューリヒ)は22日、米Power-Oneを買収しソーラーインバーター事業に本格参入すると発表した。太陽電池業界では製品価格の大幅下落を受けて企業の倒産や事業撤退が相次いでおり、ABBの今回の決定は注目を集めている。
\Power-Oneを1株当たり6.35ドル、総額10億2,800万ドルで買収する。すでに両社の取締役会で合意が成立している。
\Power-Oneは従業員数が3,300人。2012年売上高は約10億ドルで、営業利益(EBITDAベース)1億2,000万ドルを計上した。家庭用から送電事業者向けまでの幅広い用途向けにインバーターを製造している。
\太陽電池業界では中国の尚徳電力(サンテックパワー)が3月に経営破たん。競合の独ソーラーワールドも債務超過に陥ったことを17日に明らかにした。太陽電池業界の低迷を受けてソーラーインバーターの価格も下落しており、世界最大手の独SMA Solarは今年、売上高が昨年の16億7,000万ユーロから13億~15億ユーロに低下する見通しだ。独Siemensは昨年12月、Boschも今年3月にソーラー事業からの撤退方針を表明した。
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