欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2013/5/8

経済産業情報

廃電球類の回収率3分の1止まり

この記事の要約

寿命が切れた電球・蛍光管の回収率が向上しない。2012年にドイツ国内で交換された廃電球・蛍光管の数は推定1億5,000万個に上るのに対し、リサイクルセンターや資源ごみ収集所、小売店の回収ボックスなどを通して回収されたのは […]

寿命が切れた電球・蛍光管の回収率が向上しない。2012年にドイツ国内で交換された廃電球・蛍光管の数は推定1億5,000万個に上るのに対し、リサイクルセンターや資源ごみ収集所、小売店の回収ボックスなどを通して回収されたのはその3分の1の4,900万個にとどまる。この比率は過去数年間、ほとんど変わっていない。業界関係者はリサイクル率を高めるには収集ネットワークの拡大が必要として、対策に乗り出した。3日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

\

回収率拡大に向けて取り組みを進めているのは、大手電球メーカー数社が出資して2006年に設立した非営利企業Lightcycleだ。同社は小売店、自治体、家電修理業者、廃棄物処理業者などと協力して廃電球類の回収システムを構築・運営し、2012年には前年を1.7%上回る9,282トン(自治体からの分を含む)を回収した。ネットワークに参加する企業や団体は110機関に上っており、Lightcycleのリーマン社長は、今年の回収量は1万トンを超えると見込む。

\

Lightcycleに出資するオスラムなどの電球メーカーはLightcycleの活動資金として、販売した電球類1個につき15セントを負担している。出資企業の市場シェアは合わせて70%だが、輸入品など回収コストを拠出していないメーカーの分も肩代わりしている。「それでもわれわれはネットワークを広げ規模を確保する必要がある」とリーマン社長は明言する。

\

背景にあるのは、廃電球類も欧州連合(EU)の「使用済み電子・電気製品に関する指令(WEEE指令)」の対象になっていることだ。12年に発効した新ルールを受けて、一定の売り場面積を持つ家電量販店も今後は小型電気製品の回収義務を負うことになる。しかし、◇製品のサイズ規定からエコ電球は回収されても蛍光管は回収されない◇回収場所が分散する結果、回収の手間ひまと輸送コストが見合わない――などシステム自体が機能しなくなる恐れがあるという。

\