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2013/7/3

総合 - ドイツ経済ニュース

乗用車新車登録6月も減少、上期は-8%に

この記事の要約

ドイツ連邦陸運局(KBA)が2日発表した2013年6月の乗用車新車登録台数は28万2,913台となり、前年同月を4.7%下回った。上半期で前年同月を上回ったのは営業日数が多かった4月のみで、残り5カ月は軒並み減少。上半期 […]

ドイツ連邦陸運局(KBA)が2日発表した2013年6月の乗用車新車登録台数は28万2,913台となり、前年同月を4.7%下回った。上半期で前年同月を上回ったのは営業日数が多かった4月のみで、残り5カ月は軒並み減少。上半期全体では前年同期比8.1%減の150万2,630台に落ち込んだ。

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主要ブランドで上半期の登録台数が増えたのは8ブランドのみで、残りはすべて減少した。増加幅が2ケタ台に上ったのは3ブランドで、そのうち2ブランドは販売台数が比較的少ないジャガー(35.0%増の2,236台)とランドローバー(21.1%増の6,912台)だった。セアトは販売台数が多いにもかかわらず30.4%増の4万1,359台と大きく伸びた。

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ドイツ車で販売台数が伸びたのはポルシェ(3.0%増の1万1,849台)だけだった。その他のブランドの実績はメルセデスが2.3%減の14万1,719台、スマートが4.3%減の1万5,194台、アウディが5.1%減の12万8,249台、BMWが7.1%減の11万8,840台、ミニが8.7%減の1万8,025台、フォルクスワーゲン(VW)が9.0%減の32万4,948台、オペルが11.0%減の10万5,587台、フォードが11.8%減の9万8,851台。総じて大衆車ブランドの落ち込みが大きい。

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日本車はスバル(5.4%増の4,737台)とマツダ(2.7%増の2万3,329台)が増加した。その他のブランドはホンダが3.9%減の1万2,015台、三菱が14.5%減の1万1,133台、トヨタが15.0%減の3万6,241台、スズキが23.4%減の1万2,987台、日産が23.6%減の2万6,267台、レクサスが53.0%減の723台だった。

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日本車以外の輸入ブランドではダチア(8.4%増の2万3,481台)と起亜(4.8%増の2万9,041台)が増加。シュコダ(1.0%減の7万7,380台)、現代(3.2%減の5万1,105台)、フィアット(8.5%減の3万7,378台)、ルノー(12.3%減の4万8,911台)、シボレー(17.0%減の1万3,349台)、ボルボ(18.1%減の1万4,639台)、シトロエン(24.9%減の2万6,377台)、プジョー(31.2%減の2万7,812台)は減少した。

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新車登録に占めるガソリン車の割合は51.2%、ディーゼル車は同46.2%に上った。電気自動車は0.2%と少ないものの、増加率は68.4%と高く、天然ガス車(同46.2%)とハイブリッド車(34.5%)を上回った。

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新車の走行1キロメートル当りの二酸化炭素(CO2)排出量は平均137.6グラムで、前年同期を3.8%下回った。

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生産移管で輸出など減少

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一方、独自動車工業会(VDA)は同日、国内乗用車市場の低迷について「説得力のある説明をするのは難しい」との見方を示した。雇用情勢が安定し、所得も上昇基調にあるなど個人消費のファンダメンタルズは底堅いためだ。ユーロ危機がなおも続いているため、消費者の多くが新車購入を見合わせている可能性がある、とVDAは推測している。

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同工業会によると、上半期の国内乗用車生産台数は前年同期比3%減の273万8,900台に後退した。足元の欧州需要の縮小のほか、ドイツメーカーが国外での現地生産を急速に増やしていることが反映された格好で、ドイツ車の今年の世界生産台数自体は前年比2%増の1,390万台へと拡大する見通し。国外生産は6%増の870万台となり、国外生産比率は63%に上昇するという。新興国と米国で生産を増やしている。

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上半期の乗用車輸出台数は208万2,500台で、前年同期から3%減少した。西欧のほか、中国市場向けが大きく落ち込んだ。中国向け輸出が減少したのはメーカーが現地への生産移管を加速しているため。

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