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2013/7/10

総合 - ドイツ経済ニュース

ルフトハンザ子会社でスト回避

この記事の要約

独客室乗務員労組UFOは6日、ルフトハンザ航空の子会社Germanwingsを対象とする無期限ストライキを当面、見合わせる方針を明らかにした。これまで暗礁に乗り上げていた労使交渉で経営陣が同労組の要求に歩み寄った回答を提 […]

独客室乗務員労組UFOは6日、ルフトハンザ航空の子会社Germanwingsを対象とする無期限ストライキを当面、見合わせる方針を明らかにした。これまで暗礁に乗り上げていた労使交渉で経営陣が同労組の要求に歩み寄った回答を提示したため。労使は今後、同回答をベースに交渉を進め、8月中旬までに妥結する意向だ。

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労使交渉は10カ月前から行われているものの、労使の主張の隔たりが大きく、こう着状態に陥っていた。このためUFOは6月中旬、無期限ストの実施に向けて組合員投票を開始、投票期限の今月5日までに98%以上が賛成票を投じた。早ければ8日にもストが行われる見通しだった。

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ルフトハンザは赤字が続くドイツ国内・欧州域内線を、フランクフルトとミュンヘン発着便を除いて格安子会社Germanwingsに全面移管、これら路線のコストを引き下げて黒字転換を図る計画だ。このため、同子会社の人件費を低く抑えたい考えで、UFOとの対立が続いていた。

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だが、書き入れ時の夏季バカンスシーズンにストが実施されると、経済的にも企業イメージの面でも大きな痛手を被るため、経営陣は今回、妥協案を提示した。具体的には◇今後2年間にベースアップを3回行い、賃金を最大で計5.9%引き上げる◇一時金を最大1,500ユーロ支給する◇客室乗務員を契約社員とするとしたこれまでの方針を撤回し、試用期間の終了後は正社員として採用する◇企業年金を導入する――などを提示した。Germanwingsのアクセル・シュミット社長は「妥協案はUFOの要求に大幅に歩み寄ったものだが、Germanwingsの競争力を損なうものではない」との立場を示した。

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