包装材の回収・分類・リサイクリング(デュアル・システム)で独最大手のDSD(ケルン)は3日、来年からライセンス料金を引き上げると発表した。人件費や回収・再利用にかかるエネルギーコストが上昇しているうえ、システムにただのりする事業者が後を絶たず不当にコスト負担を強いられているためとしている。値上げ幅は最大8%で、標準的な4人家族世帯の場合、年間負担額は105ユーロから113ユーロに上昇する計算だ。
\DSDは1991年、包装材の回収・リサイクルを企業に義務づける政令が施行されたことを受けて設立された。デュアル・システムは自治体による従来の廃棄物処理とは別に民間セクターによって回収・再利用を行うシステムで、回収に要する費用は企業が回収事業者に支払うライセンス料でまかなわれる。ライセンス料は販売価格に上乗せされ最終的に消費者が負担する。DSDは03年まで市場を独占していたが、04年の市場自由化を受けて競合が参入。現在は同社を含む大手9社がしのぎを削り、同社の市場シェアは50%まで低下した。
\同市場で大きな問題になっているのは、「自主回収している」と主張してライセンス料を支払っていないにもかかわらず、実質的にはDSDのコンテナで包装材を回収させているタダ乗り事業者だ。DSDの関係者が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにしたところによると、そうしたメーカーや小売店が「自主回収」していると主張するヨーグルトや歯磨きなどの軽包装材は9万4,000トンに達し、販売した製品10%の容器を店頭で回収した計算になるが、実際にそれだけの量を回収できた事業者の話は聞いたことがないという。
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