洋上風力発電パークの建設で港湾の果たす役割に注目が集まっている。建設資材を作業船に積み込むインフラが不足していれば、それだけ建設作業のスピードが落ちるためで、港湾運営者は需要拡大に期待を寄せる。ただ、港湾インフラ整備に要する巨額の投資を回収できないリスクが大きいため、慎重にならざるを得なくないようだ。3日付『南ドイツ新聞』が報じた。
\ブレーマーハーフェン港を運営するBLGの風力発電物流事業担当者は「我々はすでに港湾のスペース・設備不足の問題に直面している」と発言し、インフラ投資を加速する必要があるとの認識を示した。だが、洋上風力発電パークの建設プロジェクトが滞っている現状では、十分な稼働率が得られないという。
\ドイツのプロジェクトであっても、必ずしもドイツの港湾から資材を運搬する必要がないことも不確定要素の一つだ。例えば電機大手のシーメンスは風力発電用の部品をデンマークで生産、同国エスビャウ港から北海の建設海域に輸送している。洋上風力エネルギー財団のアンドレアス・ヴァグナー事務局長は「欧州最大の洋上風力発電市場はドイツと英国。国外メーカーの多くはどちらに拠点を構えるか決めておらず、将来の需要予測が立てにくい」と話す。
\