高級車メーカーのメルセデス・ベンツが新車のネット直販を試験導入する。2020年までに競合のBMWとアウディを抜いて高級車トップに返り咲く戦略の一環で、デジタルメディアを使いこなす若者を新たな顧客層として取り込むことが狙い。ハンブルクとワルシャワのメルセデス・ベンツ直営店がオンラインショップを開設・運営し、店頭でもネットでも注文できるようにする。サイトは年内にも開設の予定だ。同社のヨアヒム・シュミット取締役(販売・マーケティング担当)が23日、明らかにした。
\ネットショップで提供するのは、メーカー側で全て装備済みのモデルで、ユーザーが好みの色や装備を選択することはできない。また、車種も比較的価格の安いコンパクトモデルを中心とする。車両の受け取りはハンブルク、ワルシャワの直営店以外でも可能で、顧客への引き渡しを担当するディーラーには販売報奨金の一部が支払われる。当該ユーザーをアフターサービスの顧客として獲得する道も開けるため「ネット販売は実店舗ディーラーにとってもメリットがある」(シュミット取締役)。
\同社はまた、若者の多くが交通の便の良い街中に住んでいることを踏まえ、市街地への出店を加速し、20年までに40店舗を新設する。さらに、「ポップアップストア(期間限定の仮店舗)」や、イベントなどで一時的に営業する店舗での販売を増やし、話題性と集客性でも若者にアピールしたい考えだ。
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