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2013/7/31

ゲシェフトフューラーの豆知識

高齢者パートタイム、申請は具体的でなければ無効

この記事の要約

ドイツには高齢者パートタイム(Altersteilzeit)という制度があり、55歳以上の被用者は労働時間を半減することを雇用主に申請できる。この申請の要件に関する係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が5月に判決(訴訟 […]

ドイツには高齢者パートタイム(Altersteilzeit)という制度があり、55歳以上の被用者は労働時間を半減することを雇用主に申請できる。この申請の要件に関する係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が5月に判決(訴訟番号:9 AZR 664/11)を下したので、ここで取り上げてみる。

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裁判は厨房係として勤務していた職員が雇用主を相手取って起こしたもの。同職員は2008年11月27日付の文書で「遅くとも2009年12月から高齢者パートタイムを適用する」ことを雇用主に申請したが、受け入れを拒否されたため提訴した。

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原告は1審で勝訴したものの、2審で敗訴。最終審もBAGは2審判決を支持した。判決理由で裁判官は、高齢者パートタイムを申請する場合、勤務条件を具体的に明記しなければ、雇用主は被用者がどのような条件で勤務したいのかを理解できないと指摘。原告職員の申請書には高齢者パートタイムの開始時期や終了時期が記されておらず、申請要件を満たしていないとの判断を示した。

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