西電気通信大手Telefonicaの独子会社Telefonica Deutschland(ミュンヘン)は26日、蘭KPNの独移動通信サービス子会社E-Plusに対する買収条件を引き上げると発表した。KPNの大株主であるメキシコの移動通信大手America Movilが買収価格を低すぎると批判していたことに対応した格好。今回の条件引き上げを受けて、America Movilは10月2日に開かれるKPNの臨時株主総会でTelefonica DeutschlandによるE-Plusの買収計画を支持するという。
\Telefonica Deutschlandは7月下旬、E-Plusを買収することでKPNと合意したと発表した。KPNに現金50億ユーロを支払い、KPNはTelefonica Deutschlandの資本17.6%を取得するという内容で、Telefonicaの出資比率は76.83%から65.0%に低下することになっていた。
\これに対しAmerica MovilはE-Plusの価値を不当に低く評価されていると批判。Telefonica Deutschlandによる買収を阻止する構えをみせていた。Telefonica Deutschlandが今回、E-Plusの評価額を従来の81億ユーロから85億5,000万ユーロへと引き上げたため、買収を承認するという。
\買収条件の引き上げにより、Telefonica Deutschlandに対するKPNの出資比率は従来計画の17.6%から20.5%へと上昇する。ただ、Telefonica Deutschlandはそのうちの2.9%を最大5億1,000万ユーロで買い戻すオプション権を持つため、KPNの出資比率は17.6%へと低下する可能性がある。
\America MovilはKPNの買収を狙っており、出資比率を現在の約30%から50%超に引き上げる計画だ。
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