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2013/9/4

経済産業情報

「国内乗用車市場に安定化の兆し」=業界団体

この記事の要約

独自動車工業会(VDA)は3日、国内の乗用車市場に安定化の兆しが出てきたとの見方を示した。8月の新車登録台数は減少したものの、営業日数のマイナス効果を除いた実質では前年同月水準を維持したためだ。国内受注台数は2%増えたと […]

独自動車工業会(VDA)は3日、国内の乗用車市場に安定化の兆しが出てきたとの見方を示した。8月の新車登録台数は減少したものの、営業日数のマイナス効果を除いた実質では前年同月水準を維持したためだ。国内受注台数は2%増えたという。

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ドイツ連邦陸運局(KBA)が同日発表した8月の乗用車新車登録台数は前年同月比5.5%減の21万4,044台となり、2カ月ぶりに落ち込んだ。営業日数が1年前に比べ1日少なかったことが響いた。1~8月の累計では前年同期比6.6%減の196万9,820台に落ち込んだ。

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8月に新車登録が大きく落ち込んだのはオフロード車で、減少幅は16.5%に達した。超小型車と小型車もそれぞれ14.7%、4.9%後退した。一方、最大のボリュームゾーンであるコンパクトカーは6.4%増え、SUVも2.8%拡大した。

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新車に占めるガソリン車の割合は51.7%、ディーゼル車は同46.6%だった。ハイブリッド車の登録台数は10.7%増、天然ガス車は38.2%増。電気自動車は435台と数が少ないものの、76.1%の伸びを記録した。液化ガス車は63.1%減と大きく後退している。走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は135.3グラムで、前年同月を3.9%下回った。

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新車登録の伸び率が最も大きかったブランドはジャガーで、86.7%増の323台に拡大。これにミニ(32.2%増の2,661台)、マツダ(31.2%増の3,680台)が続いた。

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ドイツ車で最も大きく伸びたのはBMWで、11.1%増の1万7,571台を記録した。メルセデス(6.3%増の2万2,391台)とフォード(4.3%増の1万3,454台)も増加している。それ以外のブランドはすべて減少。アウディは4.3%減の2万1,623台、オペルは11.2%減の1万3,839台、ポルシェは13.9%減の1,087台、フォルクスワーゲン(VW)は16.7%減の3万9,923台、スマートは42.6%減の1,181台に落ち込んだ。

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マツダ以外の日本車で増加したのはトヨタ(6.9%増の5,782台)だけ。その他のブランドの実績は日産が8.3%減の4,268台、三菱が20.7%減の1,430台、ホンダが23.7%減の2,002台、スズキが25.2%減の1,982台、レクサスが45.1%減の117台、スバルが66.4%減の397台だった。

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日本車以外の主な輸入ブランドではセアト(11.6%増の6,602台)、起亜(5.8%増の4,872台)、現代(2.8%増の7,436台)、ルノー(1.4%増の7,687台)が増加。フィアット(0.9%減の4,962台)、シュコダ(2.3%減の1万802台)、ダチア(9.6%減の4,176台)、シボレー(10.2%減の2,242台)、シトロエン(25.7%減の3,557台)、プジョー(27.0%減の3,972台)、ボルボ(28.9%減の1,409台)は減少した。

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一方、VDAによると、8月の国内乗用車生産台数は39万7,150台で、前年同月を9%上回った。輸出も3%増の29万3,900台に拡大している。1~8月の累計では国内生産が前年同期比2%減の358万1,200台、輸出が2%減の273万7,700台だった。

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