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2013/9/11

企業情報

Deutsche Telekom AG―超高速ブロバン整備に118億ユーロ投資―

この記事の要約

独通信最大手Deutsche Telekom(ボン)は3日、VDSL2ベクタリング通信インフラの構築に向けて2015年末までに118億ユーロを投じ全国に光ケーブル網を敷設する方針を明らかにした。敷設が完了する16年には2 […]

独通信最大手Deutsche Telekom(ボン)は3日、VDSL2ベクタリング通信インフラの構築に向けて2015年末までに118億ユーロを投じ全国に光ケーブル網を敷設する方針を明らかにした。敷設が完了する16年には2,400万世帯が超高速通信サービスを利用できるようになる。

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VDSL2ベクタリングは仏通信機器大手Alcatel-Lucentが開発した次世代超高速通信技術で、VDSLの改良版。光ファイバーとメタル回線の切り替えポイント(クロスコネクト)にベクタリング装置を設置することで、クロスコネクトから各加入者宅まで敷設されている従来のメタル回線を交換することなく、自宅まで直接光ケーブルを引き込んだ場合に匹敵する最大100メガビット/秒の通信速度を実現する。電気通信事業者は電話交換機とクロスコネクトの間に光ケーブルを敷設するだけ良いため、低コストで高速通信サービスを提供できる。

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ただ、同技術はVDSL網の特定のポイントに複数の通信事業者がアクセスしていると機能しないという技術的制約がある。このためネットワーク監視当局(BNetzA)と欧州連合(EU)の競争当局は同技術の導入で競合が競争上不利にならないかを審査。EUは先月21日、BNetzAも同29日、一定の条件下で競合にもアクセスを認めることを条件に敷設を認可した。同社はこれを受け、光ケーブルの敷設を進め競争力を高める戦略を打ち出した。

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同社はこのほか、市内の広域に無線LANスポットを敷設する「HotSpot-City」のパイロットプロジェクトをハンブルクで開始。また、Deutsche Bahn(DB)の高速鉄道の車内でインターネット接続ができるサービスをこれまでの70本から255本に拡大する計画だ。

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