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2013/9/18

総合 - ドイツ経済ニュース

ローミング料廃止などの規制案を欧州委が発表

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は11日、通信分野における単一市場の創設に向けた規制改革案を発表した。EU域内で規制を統一し、通信会社が国境を越えて事業展開しやすい環境を整えて競争を促し、消費者に低価格で質の高いサービスを提 […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は11日、通信分野における単一市場の創設に向けた規制改革案を発表した。EU域内で規制を統一し、通信会社が国境を越えて事業展開しやすい環境を整えて競争を促し、消費者に低価格で質の高いサービスを提供するのが狙い。具体的には国ごとに異なる認可基準を域内で統一することや、域内の他の国との国際通話や携帯電話の国際ローミング(相互接続)にかかる手数料の廃止などが提案に盛り込まれている。

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「接続された大陸(Connected Continent)」と名付けられた通信規制の改革案は、欧州委のバローゾ委員長が11日に欧州議会で行った年次演説で打ち出した。同委員長は市場統合に向けた長年にわたる取り組みにもかかわらず、「域内には依然として28(カ国)の市場が存在する」と述べ、各国の通信当局がそれぞれ国内市場を管轄する現行システムが、EUレベルでの大規模な投資や複数市場での事業展開を妨げていると指摘。「通信分野における単一市場の実現に向けて大きく前進することが欧州にとって経済成長のカギを握る」と強調し、市場統合の必要性を訴えた。

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改革案によると、国ごとに異なる認可基準が域内で統一され、通信事業者は共通ルールに基づいて域内の複数の市場で容易にサービスを提供できるようになる。料金規制に関しては、固定電話による国際通話や、域内の他の国で携帯電話を使用する際のローミング手数料の割増しを原則として廃止し、国内通話並みの料金水準を実現する。具体的には、携帯電話で自国から域内の他の国に通話する際の料金は1分当たり0.19ユーロ以内に制限し(現状では国によって0.35ユーロ~1.19ユーロ)、着信時の手数料については2014年7月1日付で廃止する。

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欧州委の競争総局は通信分野で市場統合が実現した場合、年間1,100億ユーロの経済効果が生まれ、域内総生産(GDP)を0.9%押し上げると試算している。

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