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2013/9/18

経済産業情報

公的健康保険の薬剤支出、12年は微増

この記事の要約

ドイツの公的健康保険の薬剤費支出動向をまとめた『医薬品処方レポート』の最新版が12日、発表された。それによると、2012年の国内薬剤費支出は304億ユーロで、前年に比べて2.6%増加(グラフ参照)。高額な特許薬の処方が依 […]

ドイツの公的健康保険の薬剤費支出動向をまとめた『医薬品処方レポート』の最新版が12日、発表された。それによると、2012年の国内薬剤費支出は304億ユーロで、前年に比べて2.6%増加(グラフ参照)。高額な特許薬の処方が依然として多いものの、10年に導入された特許薬強制割引制度と11年に施行された特許薬の価格取り決めに関する法令(AMNOG)の効果で薬価が抑えられ、緩やかな伸びにとどまった。後発医薬品の利用を促進し、既存薬とほとんど効果の変わらない新薬は処方しないなどの取り組みを徹底すれば、医療の質を落とさずに薬剤費をさらに25億ユーロ節約できたという。

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レポートでは、改良型新医薬品(ゾロ新)、およびそれらと効果のほとんど変わらない既存薬のコストを比較。処方された主なゾロ新で健保が負担した額は合計12億6,290万ユーロに上ったが、これらの代わりに全て既存薬が処方されていれば、コストを85%(10億6710万ユーロ)抑えられたと試算している(表参照)。

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レポートではまた、ドイツの薬価が周辺諸国に比べ依然として高いことが指摘された。売上高上位50位の薬剤価格をフランスの価格と比較したところ、ドイツの方が平均で31%高かった。

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売上高上位10位の特許薬のなかでフランスよりも価格が低かったのは血液凝固阻止剤「Clexane」のみで、製品によってはドイツの方が2倍以上高かった。

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