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2013/10/2

総合 - ドイツ経済ニュース

医療機器の規制強化策、欧州委が発表

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は9月24日、医療機器の安全性向上を目的とする規制強化策を発表した。2010年に発覚した仏ポリ・アンプラン・プロテーズ(PIP)社のシリコン豊胸材をめぐる問題を受けた措置で、域内で販売される医 […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は9月24日、医療機器の安全性向上を目的とする規制強化策を発表した。2010年に発覚した仏ポリ・アンプラン・プロテーズ(PIP)社のシリコン豊胸材をめぐる問題を受けた措置で、域内で販売される医療機器がEUの定める安全性や性能の基準に適合していることを示す「CEマーク」の適合性評価を行う第3者認証機関(Notified Body)が満たすべき条件や、医療機器メーカーに対する検査体制の強化などを柱とする内容。新たな規制策は加盟国との合意に基づいて、すでに多くの項目が実行に移されており、欧州委は10月にも全体の進捗状況について報告書をまとめると説明している。

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一方、欧州議会の環境・公衆衛生・食品安全委員会は25日、最もリスクの高い医療機器について、欧州医薬品庁(EMA)が指定する上位の認証機関が適合性評価を行うことなどを盛り込んだ規制案を承認した。メーカー側の自己責任を原則とした現行規制を抜本的に見直し、医療機器の承認プロセスをEUレベルで一元管理することを目指したもので、欧州委が打ち出した規制策よりさらに踏み込んだ内容になっている。10月下旬の欧州議会本会議で採決が行われる見通しだ。

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シリコン豊胸バッグ分野で当時世界3位だったPIP社が医療用ではなく、未認可の安価な工業用ジェルを用いてシリコンバッグを製造していたことが発覚した問題はPIPスキャンダルと呼ばれ、欧州を中心に大きな衝撃が走った。問題の豊胸バッグは日本を含む65カ国以上で販売されたとみられているが、体内で破裂する恐れがあることが判明しているほか、発がん性を指摘する声も出ている。

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