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2013/10/2

経済産業情報

独航空機部品業界に淘汰の時代、エアバスの要求基準アップで

この記事の要約

ドイツの航空機部品業界に近い将来、大規模な淘汰の波が押し寄せる見通しだ。主要顧客のエアバスがサプライヤーに対する要求基準を大幅に引き上げたためで、各社は速やかな対応を迫られている。独航空宇宙産業連盟(BDLI)の調査レポ […]

ドイツの航空機部品業界に近い将来、大規模な淘汰の波が押し寄せる見通しだ。主要顧客のエアバスがサプライヤーに対する要求基準を大幅に引き上げたためで、各社は速やかな対応を迫られている。独航空宇宙産業連盟(BDLI)の調査レポートをもとに9月26日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。

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エアバスは現在、カタログ価格ベースで約5,000億ユーロの受注残を抱えており、今後3年以内に生産規模を45%拡大する計画。また、2015年までに売上高営業利益率を現在の4.7%から10%に引き上げる目標を掲げている。

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このためサプライヤーに対しては同社の事業拡大のスピードに対応して部品を確実に供給するとともに、納入価格の引き下げを要求している。また、中国に続き米国でも最終組み立てを計画するなど、生産のグローバル化を推し進めているため、サプライヤーには欧州域外でも安定的に部品を供給する能力を求めている。さらに、競合の米ボーイングのように開発費などのリスクを一部負担すること(リスクシェアリング)もサプライヤーに義務づける意向だ。

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BDLIのレポートによると、こうした要求にすでに対応できる体制を整えたドイツのサプライヤーは7%に過ぎず、39%は対応能力がない。事業規模や資金力、技術力でフランスや米国の競合に太刀打ちできない企業が多く、グローバルレベルで通用する企業はDiehl(客室部品)、Liebherr(足回り部品)、Recaro(シート)の3社に過ぎないという。

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