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2013/10/2

経済産業情報

中国車が欧州クラッシュテストで最高評価

この記事の要約

欧州の新車安全性調査機関ユーロ NCAPは9月25日、中国メーカーQorosのセダン「Qoros 3」がクラッシュテストで最高評価の5つ星を獲得したと発表した。ユーロNCAPのテストで中国車が高評価を得たのは今回が初めて […]

欧州の新車安全性調査機関ユーロ NCAPは9月25日、中国メーカーQorosのセダン「Qoros 3」がクラッシュテストで最高評価の5つ星を獲得したと発表した。ユーロNCAPのテストで中国車が高評価を得たのは今回が初めて。同社の欧州販売に弾みがつきそうだ。

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中国車の安全性能はこれまで極めて低く、全ドイツ自動車クラブ(ADAC)は江鈴汽車のSUV「陸風(Landwind)」を対象にした2005年のEuroNCAPテストで、「20年に及ぶクラッシュテストの歴史でこれほどひどい車はなかった」と厳しい評価を下した。華晨中国汽車のセダン「BS6」を対象とする07年のテストでも「ドライバーが生き残るチャンスはゼロに近い」と酷評。評価は1つ星にとどまった。

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Qorosは欧州市場参入を計画しており、安全性能を重視して製品開発を進めてきた。経営陣には欧州自動車メーカーから人材を引き抜いており、フォルカー・シュタインヴァッシャー副社長はフォルクスワーゲン(VW)米国子会社の元マネージャー。フォルカー・ヒルデブラント主任デザイナーはBMWの小型車ブランドMiniの元デザイナーだ。

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Qorosは年内に東欧市場で販売を開始し、15年までにドイツ市場にも参入する予定だ。独自動車工業会(VDA)のヴィスマン会長は証券紙『ベルゼン・ツァイトゥング』に「中国メーカーを過小評価することは大きな誤りだ」と発言。中国勢は今後数年で新興国のほか、先進国向けの輸出も大幅に拡大するとの見方を示した。

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