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2013/10/2

経済産業情報

エレベーター業界に再編の波

この記事の要約

ドイツの昇降機製造・販売業界に買収・合併の動きがでてきた。エレベーター国内市場2位のティッセンクルップ・エレベーター(TKE)は9月10日、中堅エレベーターメーカーEggertを買収。Eggertは売上高3,000万ユー […]

ドイツの昇降機製造・販売業界に買収・合併の動きがでてきた。エレベーター国内市場2位のティッセンクルップ・エレベーター(TKE)は9月10日、中堅エレベーターメーカーEggertを買収。Eggertは売上高3,000万ユーロとTKE(世界売上高57億ユーロ)を大幅に下回るものの収益性は高いとされる。市場関係者によると、こうした「小粒でも優良」な企業を買収して収益力と稼働率を強める動きが、大手企業の間で強まる見通しだ。9月30日付『フランクフルター・アルゲマイネ』が報じた。

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ドイツのエレベーター市場はシンドラー(スイス)、TKE、コネ(フィンランド)、オーチス(米)の大手4社がシェア7割を占め、残り3割は300社あまりの中小企業が分け合う。

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Eggertは1968年設立の家族経営企業。ケルン近郊トロースドルフ(Eggert Aufzuege GmbH)とベルリン(Lift-Technik GmbH)の2社からなり、住宅・オフィス向けエレベーターの企画・設計、製造、設置から保守、メンテナンスまでを手がける。ハンブルク、エッセン、ミュンヘン、フランクフルトに販売・営業拠点を持つ。

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TKEが同社を買収したのは長期的に確実な収益を見込めるためだ。Eggertは長いものでは数十年の長期メンテナンス契約を結んでおり、傘下に収めるメリットは非常に大きい。一方、中小のエレベーター企業の多くは設立から30~40年が経過し、後継者難に直面している会社も少なくない。このため、中小メーカーの側からも大手の傘下に入ることで生き残りを図るケースが増えるとみられる。

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