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2013/11/20

総合 - ドイツ経済ニュース

欧州委が独の経常黒字を調査、域内不均衡を問題視

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は13日、ドイツの経常黒字が欧州経済の安定を阻害する要因になっている可能性があるため、同国に対する調査を開始すると発表した。EUは域内の経済均衡を保つため、経常黒字を国内総生産(GDP)比で6 […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は13日、ドイツの経常黒字が欧州経済の安定を阻害する要因になっている可能性があるため、同国に対する調査を開始すると発表した。EUは域内の経済均衡を保つため、経常黒字を国内総生産(GDP)比で6%以内に抑えるよう加盟国に求めているが、ドイツは2007年以降、連続して上限を上回っている。欧州委は今後3~4カ月程度かけて調査を行う見通しで、過剰な経常黒字が欧州経済に悪影響を及ぼしていると判断した場合は是正を勧告することになる。

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財政危機で欧州経済が低迷するなか、ドイツはユーロ安と低金利を武器に中国などへの輸出を伸ばし、経済成長を維持してきた。欧州委は同日まとめたEU域内の経済不均衡に関する報告書のなかで、ドイツ国内では「貯蓄が投資を上回っている」と指摘。経常黒字を国内への投資に回すとともに、内需を拡大することで競争力の低い他のEU諸国からのドイツへの輸出が増え、域内の不均衡を是正することができるとの見解を示した。

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ドイツをめぐっては、米財務省が10月末にまとめた為替報告書で、輸出依存型の経済構造が世界経済に悪影響を及ぼしているとの認識を示し、内需拡大に向けた取り組みを求めた。ドイツ政府はこれに反論しているものの、国際通貨基金(IMF)首脳もドイツの黒字が縮小しない限り、ギリシャをはじめとする他のユーロ圏諸国の赤字が減ることはないと指摘。賃上げや国内での投資促進を通じて内需をバランスの取れたものにする必要があるとの認識を示し、「適切な水準」に黒字を縮小するようメルケル政権に呼びかけた。

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欧州委のバローゾ委員長は「経常黒字が必ずしも不均衡を意味するわけではない」としたうえで、「詳しく現状を分析し、高水準の黒字が欧州経済全体にどのような影響を及ぼしているか理解する必要がある」と説明。ドイツ側は欧州委の意図を正確に理解し、調査結果に基づいて適切な措置を講じるだろうと述べた。

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