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2013/11/20

経済産業情報

サプライチェーン・リスク管理へ関心高まる

この記事の要約

市場・生産拠点のグローバル化が進むなか、サプライチェーンのリスク管理に対する関心が高まっている。独物品管理・調達・物流業全国連合会(BME)などが実施した物流リスクに関する企業アンケート調査によると、「事業ネットワークの […]

市場・生産拠点のグローバル化が進むなか、サプライチェーンのリスク管理に対する関心が高まっている。独物品管理・調達・物流業全国連合会(BME)などが実施した物流リスクに関する企業アンケート調査によると、「事業ネットワークの国際化によって自社のサプライチェーン上にリスクが生じている」との回答は全体の76.2%に達した。製造業・流通業者では同82%、物流サービス業者でも60%に上っており、サプライチェーン・リスク管理が重要な課題となっていることがうかがわれる。

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サプライチェーン・リスクが生じていると回答した企業に、リスク軽減のために導入予定の対策を質問したところ、最も多かったのは「調達先を分散させる/単一の調達先に頼らない」(59.6%)で、「自社をとりまくサプライチェーンの把握・見える化」(48.5%)「安全在庫を増やす」(27.9%)も多かった。「特になし」とした企業は6社に1社だった。

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コンサルティング会社Camelonが世界で事業を展開する50社を対象に行った調査では、サプライチェーン・リスク管理システムを導入したとの回答が9割に達した。ただ、取引先の事業能力やリスクの高い地域・グループなどの見極めで、標準化された分類システムを「全く導入していない」企業は15%、「導入して2年以内」の企業は2社に1社だった。Camelonの担当者は「多くの企業は調達先のリスクを売上高を元に判断しており、売上規模が小さくても重要な部品の供給途絶がサプライチェーンに与えるリスクを考慮していない」と指摘。全般的にみて「対策は不十分だ」との見解を示した。

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