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2014/2/19

経済産業情報

ガソリン価格が下落

この記事の要約

ガソリンスタンド大手アラルによると、2013年のガソリンの平均販売価格は1.594ユーロで、前年の1.643ユーロから4.9セント低下した。ディーゼルも平均1.43ユーロで、6セント下がっている。自動車燃料の値下がりは今 […]

ガソリンスタンド大手アラルによると、2013年のガソリンの平均販売価格は1.594ユーロで、前年の1.643ユーロから4.9セント低下した。ディーゼルも平均1.43ユーロで、6セント下がっている。自動車燃料の値下がりは今年に入っても続いており、1月の平均はガソリンが1.486ユーロ、ディーゼルが1.378ユーロ(全ドイツ自動車クラブ調べ)で、11年2月頃の水準となった(グラフ1参照)。

一方、1日のうちの価格変動は大きくなっており、アラルによると高い時間帯と安い時間帯で平均8セントの差がある。1日のうちに価格が15セント上下することも珍しくなくないという(グラフ2参照)。

値段が小刻みに変動するようになった大きな原因は、連邦カルテル庁傘下の自動車燃料市場透明化局が昨年開始した、全国のガソリン価格情報の提供サービスだ。スタンドが燃料価格を変更するごとに当局に申告が義務づけられたことで、これまで不透明だった価格の動きが消費者に正確に把握できるようになるとともに、ガソリンスタンドの運営者も、周辺地域の競合の販売価格を即座に入手できるようになった。

同制度が「スタンド間の競争を活性化し、価格を下げる」という本来の狙いに貢献しているかはこれまでのところ不透明だ。アラルの関係者は、昨今の価格下落は主に原油価格の値下がりとユーロ高ドル安によるもので、情報提供サービスが影響していることは「まったくない」と断言する。また、価格を安定させるという狙いについても、今のところ目に見えた効果はないという。ただ、制度は始まったばかりのため、結論を引き出すのは時期尚早だとしている。