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2014/2/26

経済産業情報

機械市場で中国が台頭、売上ダントツ1位に

この記事の要約

世界の機械製造市場で中国が急速に存在感を高めている。ドイツ機械工業連盟(VDMA)が18日発表した業界動向によると、中国機械メーカーの世界売上高(設置・保守などのサービス除く)は2008年の2,710億ユーロから2012 […]

世界の機械製造市場で中国が急速に存在感を高めている。ドイツ機械工業連盟(VDMA)が18日発表した業界動向によると、中国機械メーカーの世界売上高(設置・保守などのサービス除く)は2008年の2,710億ユーロから2012年には2.5倍の6,780億ユーロに拡大し、2位の米国(3,300億ユーロ)、3位の日本(2,660億ユーロ)を大きく引き離して世界トップに躍り出た。世界の輸出高に占める中国メーカーのシェアは11.1%で、ドイツ(15.9%)、米国(11.9%)に次ぐ3位にランクした。

各国のメーカーが世界シェアトップを獲得している分野をみると、中国メーカーでは金銭機械・貴重品保管庫(41.7%)、縫製・衣料品関連機械(24.6%)、エレベーター・エスカレーター(21.7%)、一般空調技術(21.3%)など7分野となっている。これに対しドイツメーカーは洗浄機械(28.6%)、計測機械(27.4%)、印刷・製紙技術(26.4%)、油圧技術(24.9%)など16分野にわたる。日本メーカーは半導体・フラットパネル製造関連機械(36.1%)、産業ロボット(35.5%)、エンジン・システム機械(26.2%)、工作機械(23.8%)など5分野、米メーカーは炭鉱機械(27.5%)、発電機(21%)など4分野だった。

中国メーカーは日本やドイツ、米国などに比べ技術力が劣るものの、その差は急速に縮まりつつある。VDMAのラインホルト・フェストゲ会長は、「中国政府は第12次5年計画で“ハイエンド設備産業の発展・促進”を重点分野の一つに掲げており、中国が独機械産業の手ごわい競合になる可能性を真剣に受け止める必要がある」と述べ、注意を促した。