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2014/3/19

経済産業情報

バイエルン・ミュンヘン会長が辞任、脱税の有罪判決受け

この記事の要約

ドイツの名門サッカークラブ、バイエルン・ミュンヘンのウリ・ヘネス会長は14日、即日付けで辞任すると発表した。脱税の有罪判決を前日、ミュンヘン地方裁判所から言い渡されたためで、同クラブのプロサッカー部門であるFC Baye […]

ドイツの名門サッカークラブ、バイエルン・ミュンヘンのウリ・ヘネス会長は14日、即日付けで辞任すると発表した。脱税の有罪判決を前日、ミュンヘン地方裁判所から言い渡されたためで、同クラブのプロサッカー部門であるFC Bayern Muenchen AG(FCバイエルン・ミュンヘン株式会社)の監査役会長職からも退いた。バイエルン・ミュンヘンの次期会長は未定。FC Bayern Muenchen AGの新監査役会長にはスポーツ用品大手アディダスのヘルベルト・ハイナー社長が就任した。

ヘネス会長は1970年代にバイエルン・ミュンヘンの選手として活躍し、ドイツ代表チームでもプレーした。代表キャップ数は35。引退後はバイエルン・ミュンヘンの運営に携わり、2009年にフランツ・ベッケンバウアー氏の後任として会長に就任した。企業家としての手腕もあり、1985年にはソーセージメーカーHoWeを設立した。

ヘネス氏はスイスの銀行を利用して長年にわたって脱税を行っており、この事実がメディアで報道されることを知って13年1月に自首した。脱税の場合は自首すれば刑事罰が免除される決まりがあるためだ。

だが、当局に提出した書類が十全でなかったことから、当初350万ユーロとしていた脱税額は裁判で2,800万ユーロを超えることが判明。提出書類が十全でないと刑事罰を免除するルールが適用されないため、ミュンヘン地裁は13日、同氏に懲役3年半の有罪判決を言い渡した。

ヘネス氏は辞任声明のなかで「脱税は私の人生の誤りだった。この誤りの責任を取る」と述べ、上訴しない意向を表明した。有罪判決の受入れは家族と相談して決めたという。政府は「ヘネス氏が本日の声明で表明した決断に敬意を表明する」との声明を出した。

検察当局は懲役5年半を求刑していた。このため、上訴するかどうかを検討したものの、17日になって見送る意向を表明しており、刑は確定した。数週間以内に入所する見通しだ。