2012年に経営破たんした独造船会社P+S Werften(シュトラルズント)の管財人は27日、ロシアの同業Nordic Yardsが同社を買収すると発表した。すでに契約書への調印が終了しており、Nordic Yardsは債権者の同意を経て6月1日付で買収する見通しだ。
P+Sは会社更生手続きの適用を申請した12年8月の時点で独東部のシュトラルズントとヴォルガストに造船所を持っていた。雇用規模は約1,750人(当時)。船舶建造の進捗に応じて顧客から受け取る完工高の前払いを求めて進めてきた海運会社との交渉がまとまらず、経営破たんした。ヴォルガストの造船所(Peene Werft)はすでにブレーメンの造船会社Luerssenが買収している。
シュトラルズントの造船所では商船と特殊船を建造している。従業員数は250人。Nordic Yardsは同造船所を500万ユーロで買収し、同拠点が黒字転換すれば150万ユーロを上乗せする。同拠点でオフショア・プラットフォームを建造する考えで、従業員数を500人に倍増することを視野に入れている。
今回の買収により、独北東部のメクレンブルク・フォーポマーン州にある大型造船所4つのうち3つはNordic Yardsの傘下企業となる。