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2014/5/28

経済産業情報

稼働足踏みの洋上風力パークに光、変電所来月から設置へ

この記事の要約

送電インフラの整備の遅れが原因で未稼働状態が続く北海・シルト島沖の洋上風力発電パークSylwin1にようやく薄日が差してきた。同発電所の海底送電線・変電プラットフォーム設置を担当する電機大手のシーメンスは来月半ばにもSy […]

送電インフラの整備の遅れが原因で未稼働状態が続く北海・シルト島沖の洋上風力発電パークSylwin1にようやく薄日が差してきた。同発電所の海底送電線・変電プラットフォーム設置を担当する電機大手のシーメンスは来月半ばにもSylwin1に接続する高圧直流(HVDC)変電プラットフォームの敷設に取りかかる。天候に恵まれ予定通りに設置できれば、2015年に運転開始にこぎつける見通しだ。

当初計画では変電プラットフォームの稼働を2014年春に予定していた。ところが、設置場所に柔らかい地盤層があることが発覚。プラットフォーム設置に用いる支持物(パイル)の長さを70メートルから106メートルに変更する必要が生じた。パイルの生産に要する時間が70メートルの製品に比べて長いうえ、プラットフォームの設置作業が可能な時期が5~9月に限られることから、13年内に敷設を完成するという計画は変更を余儀なくされていた。

敷設する変電プラットフォームはNordic Yardがシーメンスの注文を受けて製造した。長さ83メートル、幅56メートル、高さ26メートル、重量1万5,000トンで、これを支える土台部分の重量は1万トンに達する。送電容量は864メガワットで、シーメンスが受注した海底送電線・プラットフォーム設置プロジェクト4件(BorWin2、HelWin1/2、Sylwin1)のなかで最大規模という。