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2014/10/29

企業情報

BASF―中期目標を撤回、コスト削減強化へ―

この記事の要約

化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は24日の決算報告で、2011年に打ち出した中期業績目標を撤回した。世界経済の先行き不透明感が強まっていることを受けた措置で、15年に売上高で800億ユーロ、営業利益(EB […]

化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は24日の決算報告で、2011年に打ち出した中期業績目標を撤回した。世界経済の先行き不透明感が強まっていることを受けた措置で、15年に売上高で800億ユーロ、営業利益(EBITDAベース)で14億ユーロを達成するとした目標は実現できない見通しだとしている。クルト・ボック社長は「新興諸国の経済が弱含み、欧州経済の回復も滞っている」と指摘。15年のEBITDAは10億~12億ユーロにとどまるとの予想を示した。

同社はこれを受けて、事業コストの圧縮目標を上方修正。これまでは15年末までに年10億ユーロを削減するとしていたが、同13億ユーロに引き上げした。

また、高性能製品部門で利益率が特に圧迫されているとして、同部門の再編方針を打ち出した。17年から利益を5億ユーロ以上、引き上げるとしている。

14年7-9月期(第3四半期)の営業利益(同)は前年同期比1.2%増の25億2,400万ユーロと小幅な伸びにとどまった。化学品部門は11.7%増の8億200万ユーロと好調だったものの、農業関連製品部門(55.7%減の9,300万ユーロ)と石油・天然ガス部門(13.8%減の6億2,600万ユーロ)が振るわず足を強く引っ張った格好だ。

売上高は183億1,200万ユーロで、3.3%増加した。天然ガスの取引量が大きく増えたことが最大の増収要因。最終利益は税負担が増えた影響で4.8%減の10億4,300万ユーロに落ち込んだ。