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2014/10/29

総合 - ドイツ経済ニュース

独銀は資本積み増しの必要なし=健全性検査

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は26日、ユーロ圏の主要130銀行を対象に実施した包括的な健全性検査の結果を公表した。資本不足で「不合格」となったのは25行で、ドイツの銀行でもミュンヒェナー・ヒポテーケンバンクが該当したものの、同 […]

欧州中央銀行(ECB)は26日、ユーロ圏の主要130銀行を対象に実施した包括的な健全性検査の結果を公表した。資本不足で「不合格」となったのは25行で、ドイツの銀行でもミュンヒェナー・ヒポテーケンバンクが該当したものの、同行はすでに増資を実施して資本不足を解消しており、今後の資本積み増しを求められるドイツの金融機関はなかった。

同検査は来年1月にユーロを導入するリトアニアを含むユーロ圏19カ国の主要銀行を対象に行われた。ストレステスト(健全性審査)と資産の質を精査する資産査定の2つで構成されており、各行の13年12月末時点の資本、資産、不良債権などのデータに基づいて実施された。

ストレステストでは欧州委員会の最新経済予測に基づく「基本シナリオ」と、景気後退や金融市場の混乱といった大きな逆風にさらされる場合を想定した「逆境シナリオ」の2つを設定。各行は中核的自己資本比率が基本シナリオの下で8%、逆境シナリオ下で5.5%を上回ることを求められる。これと資産査定の結果を総合し、合格か否かを判定した。

不合格となった25行の資本不足額は計250億ユーロに達した。ただ、25行のうち12行は14年に入って増資を実施したことから、すでに資本不足が解消。残る13行が今後、総額95億ユーロの増資を求められる。

これら13行の内訳を国別でみると、イタリアは4行で最も多かった。これにギリシャ(3行)、スロベニア(2行)が続き、ポルトガル、オーストリア、アイルランド、ベルギーは各1行だった。

ドイツは25行が検査対象となった。不合格となったミュンヒェナー・ヒポテーケンバンクは昨年末時点の中核的自己資本比率が逆境シナリオで2.93%にとどまった。自己資本の不足額は2億2,900万ユーロ。同行は今年に入って4億800万ユーロの増資を実施したことで資本不足が解消された。