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2014/10/29

企業情報

ダイムラー―米テスラから資本撤退―

この記事の要約

自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)は21日、戦略提携先の米電気自動車(EV)メーカー、テスラの株式4%を売却し、資本を全面的に引き上げたと発表した。売却益は約7億8,000万ドルで、事業の強化に充てる方針。経済 […]

自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)は21日、戦略提携先の米電気自動車(EV)メーカー、テスラの株式4%を売却し、資本を全面的に引き上げたと発表した。売却益は約7億8,000万ドルで、事業の強化に充てる方針。経済環境が世界的に悪化していることから、手元資金の拡充につながる今回の措置を市場は歓迎している。テスラとの事業提携は継続する。

ダイムラーは2009年、テスラと戦略提携。テスラ株およそ10%を5,000万ドルで取得したほか、バッテリーシステムと電気駆動装置の開発、車両プロジェクトを共同で推進していくことを取り決めた。テスラからは「Bクラス」と「スマート」のEVモデル向けに充電池の供給を受けている。

テスラは2010年に株式を初公開した。初値は17ドル。株価は昨年半ばから急上昇し、現在は233ドルを付けている。9月初旬に記録した過去最高(291ドル)を下回るものの、ダイムラーは巨額の売却益を確保した。

市場には、テスラのモデルがダイムラーの旗艦モデル「Sクラス」と競合するようになったことが資本撤退の理由だとの見方もある。

トヨタ自動車もテスラ株を売却したことを24日、明らかにした。売却の時期や規模は伏せている。