自動車部品大手の独ヘラー(リップシュタット)は10月31日、新規株式公開(IPO)計画を発表した。市場資金を国外事業の強化などに充てる意向で、フランクフルト証券取引所とルクセンブルク証券取引所で11月11日に株式を公開する。
同社の株式は現在、オーナー一族の計60人強が100%保有している。今回の株式市場デビューでは新株発行と発行済み株の私募(最大5.75%)を実施。市場資金を約2億7,800万ユーロ調達する。
IPO後はオーナー一族の出資比率が85%に低下する。同一族は長期的に安定株主にとどまる考えで、2024年までは出資比率で60%の水準を保つことを確約している。残り25%(85%-60%)はロックアップ期間(IPOから6カ月間)後に放出できるため、同社の浮動株比率は最大40%に拡大する見通しだ。
ヘラーは自動車用照明・電子部品の有力メーカーで、世界35カ国以上で事業を展開している。今後は特に米国と中国で事業を強化するほか、合弁会社の設立や既存合弁への出資比率引き上げも検討している。
従業員数は約3万1,000人で、2014年5月通期の業績は売上高が前期比11%増の53億4,300万ユーロ、営業利益(EBIT)が17%増の3億4,100万ユーロ、最終利益が12%増の2億3,000万ユーロだった。