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2014/11/19

企業情報

メルク―がん抗体医薬品でファイザーと提携―

この記事の要約

製薬大手の独メルク(ダルムシュタット)は17日、がん治療用の抗体医薬品開発で同業の米ファイザーと提携すると発表した。メルクが開発中の医薬品「MSB0010718C」を共同開発に切り替え、販売でも協働する。メルクは前払金8 […]

製薬大手の独メルク(ダルムシュタット)は17日、がん治療用の抗体医薬品開発で同業の米ファイザーと提携すると発表した。メルクが開発中の医薬品「MSB0010718C」を共同開発に切り替え、販売でも協働する。メルクは前払金8億5,000万ドル(6億8,000万ユーロ)を取得し、一定目標の達成に応じて最大20億ドルのマイルストーン支払いも受け取る。開発・市場投入コストは両社で負担する。

MSB0010718Cは抗PD-L1抗体というタイプの分子標的薬で、T細胞によるがん細胞攻撃を引き起こす。メルクは7月下旬、皮膚がんを対象に同薬の第2相臨床試験(フェーズ2)を実施する方針を打ち出していた。

両社はこのほか◇ファイザーが開発中の抗PD-L1抗体について第1相臨床試験(フェーズ1)を実施できるようにする◇メルクはファイザーの肺がん治療薬「ザーコリ」を米国その他の市場で販売する権利を取得する――ことでも合意した。

メルクは新薬開発の相次ぐ失敗で大きな痛手を負ったことを受けて、コストがかさむ臨床試験を他社と共同で進める戦略を打ち出している。