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2015/4/29

企業情報

コメルツ銀行―増資で中核自己資本比率10%超に―

この記事の要約

独2位銀行のコメルツ銀行(フランクフルト)は28日、機関投資家向けに新株を発行し、市場資金およそ14億ユーロを調達したと発表した。新銀行自己資本規制バーゼル3に対応することが狙いで、狭義の中核自己資本比率(CET1比率) […]

独2位銀行のコメルツ銀行(フランクフルト)は28日、機関投資家向けに新株を発行し、市場資金およそ14億ユーロを調達したと発表した。新銀行自己資本規制バーゼル3に対応することが狙いで、狭義の中核自己資本比率(CET1比率)を従来の9.5%から10.2%に拡大。「金融市場から要求されている水準に予定よりも早く到達した」としている。総資産に対する自己資本の比率であるレバレッジ比率も3.7%から3.9%に高まった。

同行が27日夜に発表した2015年1-3月期(第1四半期)暫定決算の営業利益は6億8,500万ユーロで、前年同期(3億2,400万ユーロ)の2倍強に増加した。売上高に相当する経常収益が23%増の27億8,200万ユーロに拡大したほか、貸倒引当金が前年同期の2億3,800万ユーロから1億5,800万ユーロに縮小したことが大きい。評価益と特殊要因もプラスに働いたという。純利益は3億6,600万ユーロで、前年同期の2億ユーロから83%増加した。

コメルツ銀は保有する墺バッドバンク、ヘタ(旧ヒポ・アルペ・アドリア)の社債4億ユーロで2億ユーロの減損損失を計上したにもかかわらず、増益を確保した。業績好転を受けて、15年12月期は8年ぶりに復配する見通しだ。