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2015/5/6

総合 - ドイツ経済ニュース

ドイツの人件費はEU8位、1時間31.8ユーロ

この記事の要約

欧州連合(EU)統計局ユーロスタットのデータをもとにドイツ連邦統計局が4日発表した同国民間セクターの2014年の人件費(1時間当たり)は平均31.80ユーロで、前年比1.6%増となった。EU平均(24.40ユーロ)とユー […]

欧州連合(EU)統計局ユーロスタットのデータをもとにドイツ連邦統計局が4日発表した同国民間セクターの2014年の人件費(1時間当たり)は平均31.80ユーロで、前年比1.6%増となった。EU平均(24.40ユーロ)とユーロ圏平均(29.20ユーロ)をともに上回っているものの、EUでは上から8番目にとどまる。

人件費が最も高いのはデンマークで、42.00ユーロに上った。これにベルギー(41.10ユーロ)、スウェーデン(40.20ユーロ)、ルクセンブルク(35.70ユーロ)が続いた。北欧、ベネルクスおよびフランスはドイツを上回る。

人件費が最も低いのはブルガリアで3.80ユーロにとどまった。これにルーマニア(4.80ユーロ)、リトアニア(6.60ユーロ)が続く。

人件費の上昇率は全般的に東欧諸国で大きく、ルーマニアは6.8%、エストニアは6.2%、ラトビアは5.9%、スロバキアは5.1%に達した。一方、キプロス(3.0%減)、ポルトガル(1.0%減)、ギリシャ(0.8%減)の3カ国では低下。第1、第2四半期のデータながらクロアチアも0.7%下がった。

製造業の人件費はベルギーが最も高く、43.20ユーロに上った。2位はデンマーク(41.60ユーロ)、3位はスウェーデン(41.40ユーロ)。ドイツは製造業の国際競争力の高さを反映し4位(37.00ユーロ)に付けた。

賃金コストに対するそれ以外の人件費の比率をみると、ドイツは28%で、加盟国中15位にとどまった。同国は2000年代に実施した構造改革で企業の社会保障負担を軽減。その効果で同比率が低下した。抜本的な構造改革が行われていないフランスは47%で、最も高い。2位はスウェーデン(46%)、3位はベルギー(44%)。イタリアは39%で5位となっている。