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2015/5/13

総合 - ドイツ経済ニュース

ブレーメン州首相が辞任へ、州議選の不振で

この記事の要約

ドイツ北部のブレーメン州で10日、州議会選挙が行われた。同州の与党である中道左派の社会民主党(SPD)と緑の党はかろうじて過半数議席を維持したものの、得票率はともに大きく低下。主要野党は軒並み票を伸ばした。政権に対する有 […]

ドイツ北部のブレーメン州で10日、州議会選挙が行われた。同州の与党である中道左派の社会民主党(SPD)と緑の党はかろうじて過半数議席を維持したものの、得票率はともに大きく低下。主要野党は軒並み票を伸ばした。政権に対する有権者の不満が背景にあり、イェンス・ベールンゼン州首相(SPD)は11日、辞意を表明した。

ブレーメンは同国最小の州で、人口は約55万人にとどまる。主力産業だった造船の凋落後、経済は長期低迷しており、4月の失業率は全国最高の11.1%に上った。全国平均は6.5%にとどまっており、ブレーメンはドイツ経済の回復から残されている格好だ。住民1人当たりの財政赤字は最も多く、生徒の学力テスト(OECDの学習到達度調査PISA)では毎回、国内最下位に甘んじている。

ブレーメンはSPDの牙城で、同党は戦後、一貫して与党の地位を確保しているものの、かつて50%前後に上っていた得票率は近年30%台で推移。今回は32.9%となり、前回の38.6%から5.7ポイント落ち込んだ。アンケート調査によると、有権者の71%はSPDに対し同州が抱える問題を解決する能力がないとの評価を下しており、改革能力の弱さが今回の得票減の大きな原因となった。

中道右派の自由民主党(FDP)は得票率が6.5%(前回2.4%)に達し、議席獲得に必要な5%を突破。2月のハンブルク州議選に続き、議会入りを果たした。若手の女性経営者をトップ候補に担ぎ出してイメージキャンペーンを行ったことが奏功したもようだ。

ブレーメン州議選に初参加した右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は党の路線をめぐる権力闘争が足かせとなったにもかかわらず、5.5%を獲得した。既存政党への批判票の受け皿となった格好で、同党の移民排斥要求を支持する有権者は少ない。

各党の獲得議席数はSPDが30(改選前に比べ6減)、緑の党が14(7減)、中道右派の大政党・キリスト教民主同盟(CDU)が20(増減なし)、左翼党が8(3増)、FDPが6(6増)、AfDが4(4増)、地方政党BIWが1(増減なし)で、合計83。

次期政権は第一党であるSPDが中心となって樹立する。緑の党との連立継続のほか、CDUと大連立へと切り替えが考えられる。

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