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2015/7/22

経済産業情報

鉄道貨物カルテルでDB子会社などにEU制裁金

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は15日、ドイツ鉄道(DB)子会社のシェンカー、オーストリア連邦鉄道(OEBB)子会社のエクスプレス・インターフラハト(EXIF)、スイスの運輸大手キューネ・アンド・ナーゲル(K+N)の3社が […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は15日、ドイツ鉄道(DB)子会社のシェンカー、オーストリア連邦鉄道(OEBB)子会社のエクスプレス・インターフラハト(EXIF)、スイスの運輸大手キューネ・アンド・ナーゲル(K+N)の3社が鉄道貨物輸送サービス市場で違法なカルテルを結んでいた問題で、K+Nを除く2社に総額4,915万4,000ユーロの制裁金支払いを命じると発表した。K+Nは欧州委に通報したため、制裁金を全額免除された。

3社は2004年7月から12年6月にかけての約8年間、「ブロックトレイン」と呼ばれるサービス分野でカルテルを結んでいた。ブロックトレインはルート途上の列車編成替えをなくすなどして輸送時間とコストの削減を実現するサービスで、特に大量の荷物を輸送したい顧客に適している。

カルテルは西欧と中欧、南東欧を結ぶサービス「バルカントレイン」と中欧とルーマニアを結ぶ「ソプトレイン」で行われていた。3社は顧客情報を交換していたうえ、価格カルテルと顧客を分け合う販路カルテルを締結。顧客と消費者に損害を与えていた。

欧州委は通報を受けて13年6月に立ち入り調査を実施し、証拠書類を押収した。

シェンカーの制裁額は3,179万8,000ユーロ、EXIFは同1,735万6,000ユーロ。両社とも調査に協力し、和解手続きにも応じたため、減額措置を受けている。

同カルテルの被害を受けた企業は損害賠償訴訟を起こすことができる。