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2015/9/9

企業情報

エルゴ―利回り保証型生保販売を実質中止へ―

この記事の要約

ミュンヘン再保険の元受子会社エルゴ(デュッセルドルフ)は一定水準以上の利回りを保証する古典的な生命保険の新規販売を原則的に今年末で打ち切る方針だ。低金利を受けて利回り保証型の生保商品が業績の足かせとなっているためで、来年 […]

ミュンヘン再保険の元受子会社エルゴ(デュッセルドルフ)は一定水準以上の利回りを保証する古典的な生命保険の新規販売を原則的に今年末で打ち切る方針だ。低金利を受けて利回り保証型の生保商品が業績の足かせとなっているためで、来年からは運用リスクの大部分を顧客が引き受けるファンド型などの生保商品に絞り込む。クレメンス・ムート取締役(生保・医療保険担当)が『南ドイツ新聞』のインタビュー記事で明らかにした。

古典的な生保は利回りの良い資金運用手段として長年、消費者の高い人気を誇ってきた。保険会社も販売に注力。エルゴは1998年に最低4%の利回りを保証した商品を販売しており、当時のエドガー・ヤノット社長は「4%の利回りを27年以上に渡って保証する銀行はないでしょう」と豪語していた。

だが、リーマンショックに伴い金融危機後は金利が急落。保証利回りの高い時期に販売した生保商品は保険会社の重荷となっている。ムート取締役は「利益を稼げないが分かっている商品を生保会社がどうして販売するでしょか」と発言。欧州中央銀行(ECB)の政策に伴う金利リスクを引き受けることは生保会社の任務ではないとの立場を示した。

チューリヒやジェネラリなどの競合も同様の姿勢を打ち出している。