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2015/12/2

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RWE―再可エネ事業などを子会社化、来年末までにIPO―

この記事の要約

エネルギー大手の独RWEは1日、再生可能エネルギー、送配電、販売事業を分社化したうえで新規株式公開(IPO)を実施すると発表した。将来性の高い事業を株式市場にデビューさせて配当を受け取ることでRWE本体の財務力を向上。原 […]

エネルギー大手の独RWEは1日、再生可能エネルギー、送配電、販売事業を分社化したうえで新規株式公開(IPO)を実施すると発表した。将来性の高い事業を株式市場にデビューさせて配当を受け取ることでRWE本体の財務力を向上。原発廃炉コストをねん出しやすくする考えだ。

新会社を設立し新株10%を発行。来年末までにIPOを実施する。RWEはIPOと同時ないしその後に保有する新会社株を売り出すものの、出資比率で50%超を維持し傘下にとどめる。IPOで得た資金は再可エネ事業の強化や送配電網の拡充、デジタル化に投資する意向だ。

新会社は発電能力で3.5ギガワット強、送配電網で計55万キロメートル、顧客数で2,300万人超(計12カ国)を持つ巨大な企業となる見通しで、売上高と営業利益(EBITDA)はそれぞれ400億ユーロ、40億ユーロを超える(15年決算ベース)。RWEの従業員およそ6万人のうち約4万人が移籍する。本社はRWEと同じエッセンに置く方向。

RWE本体は従来型発電とエネルギー取引に事業を絞り込む。同社は再可エネが一段と普及しても火力発電は当面、補完電源として欠かせないとみている。

競合エーオンも昨年11月、従来型発電(原子力、石炭、天然ガス発電)などの分社化方針を打ち出した。電力卸価格の大幅下落など事業環境の変化を受けた措置で、エーオンは経営資源を再可エネ、送電・送ガス、顧客向けソリューションの3分野に絞り込むとともに、廃炉コストを新会社(ユニパー)に負担させる考えだった。

だが、ユニパーが経営破たんすると同コストを納税者が負担することになる恐れがあるため、政府はこれを批判。エーオンに同コストの保証義務を課す方向で法改正に乗り出したことから、同社は9月に方針転換し、原子力発電事業を分社化の対象から外し手元に残すことにした。

RWEはこうした事情を踏まえ、「コロンブスの卵」のような今回の組織再編計画を打ち出した。同計画の発表を受けてRWE株は急伸した。

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