独海運最大手のハパックロイド(ハンブルク)は18日、同社と中東系同業のユナイテッド・アラブ・シッピング・カンパニー(UASC)が合併契約に調印したと発表した。合併はハパックがUASCを吸収する形で実施。ハパックは台湾の長栄海運(エバーグリーン・マリン)を抜いて世界5位の海運会社に浮上する。取引はハパックが8月に開く株主総会と独禁当局の承認を経て年末までに完了する見通しだ。
UASCの大株主であるカタール・ホールディング(QH)とサウジアラビア公的投資基金(PIF)はハパックの株主となる。ハパックは合併後6カ月以内に株主割当増資を実施。株主の一部は合わせて4億ドルの引き受けに同意した。主な株主の出資比率は、ハパックロイドと2014年12月にコンテナ事業統合したチリ企業CSAVが約23%、ハンブルク市が約15%、物流大手キューネ+ナーゲルのオーナーであるクラウスミヒャエル・キューネ氏が約14%、QHが14%、PIFが10%となる。
ハパックの保有船舶量は現在175隻で、船腹量は95万5,000TEU(20フィートコンテナ換算)。買収後はそれぞれ237隻、160万TEUとなる。また、UASCの超大型コンテナ船17隻(船腹量1万8,800万TEUが6隻、同1万5,000TEUが11隻)を手に入れる。さらに、UASCの本社所在地ドバイに米ピスカタウェイ、チリのバルパライソ、シンガポールに並ぶ地域ハブ拠点も開設する計画で、シナジー効果は最低でも年4億ドルを見込む。
ハパックは5月、日本郵船、川崎汽船、商船三井、韓進海運(韓国)、陽明海運(台湾)と提携合意した。来年4月にアライアンスを立ち上げる予定。これに伴い、UASCが独海運2位のハンブルク・ジュドと結ぶアライアンスは3月末で打ち切られる。