ドイツ鉄道(DB、ベルリン)が中国市場の開拓を本格化する。足元の独・欧州では事業拡大の余地が小さいのに対し、中国では需要を取り込める余地が大きく、利益の向上につながるとみているためだ。ロナルド・ポファラ取締役(インフラ担当)が日刊紙『ヴェルト』に明らかにした。
中国は自国で高速鉄道を開発・生産できるようになったことから、シーメンスやアルストムなどの国外メーカーが同地で事業を拡大するのは難しくなっている。だが、巨大で総合的な鉄道プロジェクトを調整したり、高速鉄道をメインテナンスするなどの面では先進国になおも後れを取っている。
DBは子会社DBエンジニアリング・アンド・コンサルティング(DB E&C)を通して新興国の鉄道プロジェクトを支援してきた実績があることから、今後はこの分野のノウハウを中国に本格投入していく。
DBは昨年、独~中国間の貨物鉄道輸送の強化や、中国国鉄へのコンサルティングサービス、高速鉄道メインテナンス分野の協働を柱とする趣意書を中国政府などと取り交わした。独~中国間の貨物鉄道強化は中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」に沿ったものと位置づけられている。
DBは現在、北京と長春市、雲南省に事業拠点を持つ。今年はさらに大連、上海、広州市に拠点を開設する予定だ。