バイエル―点滴灌漑のネタフィムと協業―

農業化学大手の独バイエル(レバークーゼン)は12日、点滴灌漑技術の有力企業であるイスラエルのネタフィムと協業すると発表した。ネタフィムの点滴灌漑製品を通して農作物の根に水とバイエルの農薬を直接、供給する新しいシステムを共同で販売していく。まずは今年末、メキシコ市場に投入する計画だ。

点滴灌漑は配水管、チューブ、弁などからなる設備を用いて土壌表面や根群域に直接ゆっくりと水を与えることにより、水や肥料の投与量を最小限に抑制する灌漑方式で、水や肥料の使用効率が高い。

ネタフィムは従来、水と肥料を供給するタイプの点滴灌漑製品を展開してきたが、バイエルとともにメキシコで水と農薬を供給する点滴灌漑の試験を実施。パプリカ、トマト、メロン、ブドウを対象とした試験で水と農薬の供給回数を最大53%減らすとともに、収穫量を増やすことに成功した。チリ、イスラエル、トルコ、スペイン、ブラジルの5カ国でも、新しい概念や理論が実現可能であることを示すための簡易な試行である概念実証(POC)に成功しており、両社は販売地域や対象とする作物・害虫・病害を拡大していく考えだ。

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