ドイツ連邦統計局は11日、8月の消費者物価統計の詳細を発表した。それによると、インフレ率(ドイツ基準)は前年同月比が0.0%、前月比がマイナス0.1%で、ともに速報値と変わりがなかった。前年同月比は景気低迷と、新型コロナ危機対策で付加価値税(VAT)が7月1日から引き下げられたことが前月に引き続き大きな強く押し下げ要因となった。
エネルギー価格は前年同月比で6.3%下落した。石油製品が全体を強く押し下げた格好で、下落幅は灯油で32.7%、自動車燃料で11.3%に上った。電力は2.1%上昇、天然ガスは0.7%下落した。エネルギーを除いたインフレ率は0.7%だった。
食料品の上げ幅は0.7%となり前月の1.2%から縮小した。果物が5.8%、食肉・肉製品が4.8%上昇したのに対し、野菜は6.8%下落し、全体を強く押し下げた。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は0.7%だった。
エネルギー、食料品以外の物品をみると、たばこは6.5%増、娯楽家電は4.3%減と変動率が大きかった。
消費者物価に占める比重が53%に上るサービスは1.0%増となり、上げ幅はインフレ率を大きく上回った。新型コロナ感染予防策の義務化を受けて美容・理容/ボディケアサービスが4.8%上昇。飲食・喫茶も1.9%高くなった。長距離鉄道料金はVATが年初と7月に引き下げられ前年同月の19%から5%へと低下したことから、料金の下げ幅が16.0%に達した。このほか、コロナ感染リスクを背景にパック旅行が3.8%下落している。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比がマイナス0.1%、前月比がマイナス0.2%で、こちらも速報値と変わりがなかった。